カンの異変にきずいたのは、まずは食欲の減退から。
ふだん、カンの食事は朝晩2回で朝食は乾燥もしくは半生のドッグフードで
これは気の向かない時はまま食べない。
晩はドッグフードの缶詰1缶に朝食と同じメニューをつけ加えて
出すことが多いのですが---
■11/7 日曜日
ちょっとした隙にまた脱走した。
ほっておくと、やはり夕方には帰ってきたのだが、多少自省の念もおありなのか
少々おとなしい。夜食もなんとなく小食。外で勝手に何か食べたかな。
■11/8 月曜日
7時頃まで寝ているとたいてい散歩の催促で私を起こしに来るのだが
今日は自分の椅子でおとなしく待っていた。
朝の散歩につれて行くが不思議におりこうさんで
勝手に先に行かずに並んで歩く。朝食食べず。
夜の散歩もおとなしい。上品なワンちゃんを連れ歩いているようだ。
ただ晩飯も食べず。ちょっと変だな。
昨日私は吉野川ハーフマラソンで留守だったので
脱走の話も後で知ったのだが、ひょっとして脱走のあと
家内に怒られてしょげているのかなとも思ったが
家内はしかってないという。
ドッグフードがまずくてすねているのかな。
■11/9 火曜日
朝の散歩で中山寺の境内を歩くが階段をのぼる時ゆっくり
ぼたぼた歩く。階段を上がったお堂の前で勝手に寝そべる。
こんなことは今までなかったぞ。ちょっとおかしいな。
朝食食べず。
夜の散歩は近所を一周。だが、坂道になると遅れる。こちらがかげんしてゆっくり歩いてやらないと歩調があわない。
ふだんはカンがひっぱってくれるぐらいなのにどうもおかしい。
晩飯また食べず。
下痢はしていないのにどうしてかな。
日曜日の脱走中何かショックになるようなひどい目にあったのかな。
あれから脱走予防でガラス戸を締め切ってベランダに出さないので
気落ちしているのかな。
ことによると脱走は"女"ができたためで、恋の病かな。
それにしても元気がなさすぎる。表情もず〜っと悲しそう。
う〜ん、医者へ連れて行こうかな。
よし、明日もう1日だけ様子をみてみよう。
■11/10 水曜日
朝の散歩は中山寺の境内を通過して近くのローソンへ寄り食べてくれそうな
ドッグフードを探す。
あまりにおとなしいのでいつもは買い物の間待たす時は
リードをフェンスにつないでおくのだが、リードを離したままで入口近くでおすわりさせて
待たす。4〜5分して出てきたら伏せの姿勢でじっと待っている。
元気なときなら誉めてやるところだが、こちらを見ても立ち上がらずそばに寄るまで
じっと寝そべったままなのはどうもやはりおかしい。
いつもと違う種類のドッグフードをやるが少しかじる程度で食べてくれない。
夜の散歩は駅周辺をぶらぶらするが、どうも歩き方がしんどそう。
首も前に下がり気味だし、いつも背に巻き上げている尻尾も半分垂れている。
家に帰り着くとベタッと寝そべる。
食事はジャーキーのうまそうなやつとかハム(人間用)などを
直接カンの口まで持って行って何とか食べさせるが量は少ない。
足がちょっとおぼつかない感じだし、息も少し荒らそう。
もともと細い犬がやつれて皮膚の下のあばらが浮いて見えてきている。
やはりどこかおかしのだ。
明日は獣医に診てもらうことに決める。
■11/11 木曜日
朝の散歩でオシッコとウンチをさせてから獣医がすこし遠いので
車で連れて行った。
「しんどそうで、3日ほど食欲がない」と言ったところ
まぶたの裏と歯茎が白いのは貧血の証拠との事ですぐに血液検査。
健康なら40%以上あるはずの赤血球が15%しかなく
ヘモグロビンも5%に満たないから相当重症の貧血とのことで、
要安静、散歩も不可との事。
病名はダニによる感染症の一つでバベシア症というものらしい。
背中の皮をつまみあげて皮下注射(2種類)をブスり、ブスり。カンは表情ひとつ変えない。
毎日続けて計4〜5回の注射が必要との事。
15〜16kgの体重が13.3kgになっていた。
尿の色が茶色っぽくないですか と聞かれるとなるほど最近そうだったし、
便の色が黄色っぽくないですか と聞かれるとたしかにそんな色だったし、
なるほど、言われてみると確かに該当することばかりなのだが、まさか
つい先日までまったく健康と疑わなかったカンがほんの数日の間に
はげしい貧血にかかっていようとは。
それも、ダニが原因と聞かされてようやく思い出したのだが、確かに数週間前に
カンの耳に一匹食いついていたダニを発見しやっつけてやったことがあった。
その時つぶしたダニが運んできたバベシア原虫なるものがカンの体に入り込み
赤血球を溶解した為に尿や便の色が変わり、激しい貧血状態になってしまったとは。
この病気は人間には移らないが、マダニを媒介に犬から犬に感染するという。
地域によってはまだ珍しい病気だが関西地方特に六甲周辺の地域には増えて
きているとの事。
今まで病気らしい病気をせずに過ごしてきたのに、病気になるときは
ほんとにうそのように簡単になってしまうものなのだ。
ここ数日悲しそうな目でほとんど表情を変えなかったのが、夕方になって
時々、目をクリクリと開けるようになり少し表情に生気が出てきたように
感じる。
食事もドッグフードの缶詰(ちょっと上等なやつ)を開けてやったら
少ない量ながらも自力で食べた。
足はまだたよりないが、少し注射の効果が現れてきているようにも思える。
夜は外でオシッコをさせただけで散歩は中止。
■11/12 金曜日
食欲、やや回復しているものの健康時の半量ほどか。
夕方医者へ行く。注射を打ってもらう。
家の中を歩く足取りがやや元気になって来た感じで快方に向いそうな予感あり。
ただ、夜になって2階和室に下痢気味のウンコ!
病気中のこともあり怒るに怒れず。
■11/13 土曜日
下痢が続く。
今日も和室で2回も、それも位置を変えてしてくれた。
涙をこらえて畳を拭く。
便の状態には普段から波があり、かたくて太いいかにも
健康そうな便が続くかと思うと、また軟便や下痢便に変わる時もあり
それでも、ずーと元気だったから今まであまり気にしていなかったのだが
こうした病気と重なって下痢便状態になると結構気になって
便を観察してしまう。
どうも少し血便が混じっているもよう。
しかし、たしかに昨日より少しずつ元気は出てきているようで
用足しの為外へ連れて行こうとすると、散歩と思ってよろこんで
吼えながら飛びつく動作をする。
まだほんとうにバネをかんじる
飛びつきではないものの十分喜んでいるのが伝わってくる。
夕方またお医者さんへ。注射以外に造血剤と下痢止めをもらう。
下痢はバベシア症と直接の関係はないとの事で、便より尿の色を
見るほうが回復の度合いがはっきりするとの事。
「日曜日は休みゆえ来院の必要はないが万一急に容態の変化があれば
連絡してください」と言っていただいた。ありがたい。
夜食は犬用缶詰とビーフジャーキーを食べたので食欲は
少し回復してきたようだ。
■11/14 日曜日
下痢止めが効いたのか朝は硬い便になった。
食欲もほぼ平常に近づいてきた感じ。毎日少しずつ元気を取り戻して
いくのがわかる。
今日は外から帰るのを見つけるととベランダから喜んでワンワンと吼え
玄関の扉を開けると飛びついてくるようになった。
もう傍目にはほとんど病気の犬とは判らないだろう。
■11/15 月曜日
朝カンを医者に連れて行く。診察室にこわごわ入り、お医者さんを
上目使いでチラッと見る。いじけておとなしいので「だいぶ元気が出てきました」と
いったものの、あまりうなずいてもらえなかった。注射(4回目)を打ってもらう。
来院は一日おきで良いとの事だが、状態が良くなってもバベシアが完全に死滅しないで
再発するケースもあるので、ここ1ヶ月程は観察を続ける必要があるとの事。
外を歩いている時はもう病気らしくみえないが、夜はなんとなくおとなしい。
■11/16 火曜日
いい便が続いている。食欲も平常に戻ってきた。
ただ、薬のせいで水をよく飲む。したがっておしっこがよくでる。
元気なときは少量のおしっこを何回もあちこちにばら撒いていたのが
一ヶ所で大量のおしっこを出すようになってきた。
カンの散歩と食事は後回しにして8時頃から夕食をたべていると、
カンが妙におとなしい。まだやはり具合がもひとつなのかな。しばらくすると
チョロチョロ音がする。なんとカンが庭へ出るドアのそばでおしっこを
しているではないか。あわてて扉を開け外に出すとまた続きを庭でした。
部屋の中でおしっこをするなんて事は、カンが大きくなってからはほとんど
記憶にないぐらいだったのに、よほどがまんできなかったのか。
それにしても、だまってせずにちゃんとおしえてくれェ〜。
おしっこをすますと急に活発になり食卓のそばにきて食べ物をねだり始める。
私が箸をおいてお茶を飲み始めると、散歩に連れて行けとせがむ。
やっと、普段のペースになってきた。
散歩も元気そうなので健康時のショートコースを回ったが、自分が行きたい方向へ
引っ張ったり、やっと以前のカンらしい雰囲気がでてきた。
■11/19 金曜日
ここ数日元気そうに見えて安心するときや、なんとなくおとなしい時は
心配になったり、そんな状態を繰り返している。こちらも気にして観察する
ものだから、じっと寝そべっていたりするとつい大丈夫かなと思ってしまう。
薬のせいで水をよく飲むようになってからおしっこがすぐにしたくなるようで
これまでのように朝・夕2回ではだめで1日に4〜5回ぐらいしないとだめなようだ。
朝、診療所で量った体重は14.2kg、まだ1kg程度しか回復していないので
ちょっと残念だった。
■11/22 月曜日
朝お医者さんへ連れて行く。診察台へあがるのをいやがり乗せてもすぐ
飛び降りる。注射はなし。飲み薬2種(赤血球の壊れ止めと造血用鉄剤)を
3日分もらう。
診療所の外へでたらいきなりその外壁におしっこをかける。
「やめんか、コラ!」
■11/24 水曜日
きのう23日は福知山マラソンがあり早朝からで出かけ夜は打上げ会で
一泊し今朝8時過ぎに戻ってきた。以前から少し痛めていた左膝が案の定
また痛くなりびっこをひきながらの帰宅だ。階段の上り下り(特に下り)がつらい。
家に帰ると、家内も子供も既に出かけた後でカンだけが喜んで出迎えてくれる。
そこまでは良かったが廊下を歩くとウン?どこか臭う。
おしっこくさい。
あわてて調べると、階段の踊り場におしっこ後を発見。雑巾を濡らして拭き取る。
そのあとで、階段を上がりきってすぐの廊下にもおしっこ後を発見。
ウ〜ム2ヶ所に分けてやってくれたな。また下まで雑巾を取りにいって拭き取る。
いつもは閉めている和室の戸が開いたままなので閉めようとして中を
のぞくとアリャ〜、奥のほうにうんこがドテッ、ああもう情けない。
後始末をして、仕事に出かける準備のため書斎?のドアを開け中に入ると
ヒェ〜!もうちょっとでウンコを踏むところではないか。
いいかげんにしてくれ〜。
またもや痛い膝をひきずりながら階段を往復してこれも始末。
カンを怒る元気もなし。
一人うなだれて、トーストとミルクコーヒーで朝食を済ませ、着替えに
納戸の方へ行くと靴下を通して足裏がピチャッと冷たい。
アレ〜!
もういかん、2階の廊下のおしっこが下まで垂れて来ているではないか。
靴下を脱いでまた拭き掃除だ。帰宅そうそう糞尿と悪戦苦闘だ。
階段をびっこをひきひき何回上り下りしたことか。
こんなことなら手摺付の階段にしておけばよかった−−−
仕事を終えて夜帰宅して、家内にこの話をぼやくと、昨日から今朝にかけての
雨でカンは散歩に出たがらず、おしっこだけでもさせようと戸をあけても庭になかなか
出なかったとの事。
それと、うんことおしっこに気をとられて朝は気づかなかったのだが、
和室から庭へ出る引違い戸の障子が数ヵ所もバリバリと破られ
たり障子の桟がかじられたりしていた。
カンを破れた障子の前まで引っ張ってきてだいぶ叱ったのだが、
よく考えるとおしっこやうんこがしたくて外へ出ようとし
障子をやぶったりいろいろした挙句、しかたなく
我慢できずに家の中でやってしまったのなら、あまり叱らないほうが
良かったのかもしれない。
うんこはともかく尿のほうは薬のせいで多量かつ頻尿なのだから。
■11/25 木曜日
朝、家内がおしっこの為カンを庭へ出し、ちょっと目を離した隙に脱走した。
健康な時ならもうほとんど心配しないのだが、まだ「運動させるのは早すぎる」と
お医者さんから言われているぐらいだから気になって探しに出かけたが
(私はまだ左膝が痛いので走れないのだ)みつからず。
そうこうするうち昼前にお帰りになる。
ちょっと元気になるとすぐこれだ。
夜、医者に連れて行く。体重14.6kg。血色かなり良好との事。
薬を5日分もらい、ノミ、ダニよけの薬液を首の後ろに塗ってもらう。
次回の診察は薬がなくなった時で良いとの事。
■11/27 土曜日
カンの表情が豊かになり、動作もかなりきびきびしてきたように思う。
先日、破られた障子を張り替える。障子を建て込み上の皺を取るため
霧吹きをかけておく。
午後、買物の運転手を勤め家に帰ってみると廊下がおしっこの跳ねで濡れている。
天井を伝って落ちてきている。2階の和室でやったのだ。頻尿なのだから
出かける前におしっこだけでもさせておくのだった。畳を上げて乾かし下地の板も拭く。
あちゃ〜!1階の和室へ入って腰が抜けそうになる。
また、張り替えたばかりの障子を2ヶ所破っているではないか。
破れの位置から考えて
おしっこをする為外へ出たくて障子に手を掛け破ってしまったようだ。
霧吹きで湿らせた紙だからちょっと擦れてもイチコロだ。
一応障子の破れの前に連れてきて破れ穴を見せながら怒るがたいして
こたえている風でもなし。
散歩に連れて出ても勝手にリードを引っ張って前進するし、やはり一時お行儀がよくなった
のは単に病気のせいっだったのだ。
晩飯には今日買ってきたばかりの特大缶詰を開けてやるとぺろっと平らげ、これも新品の
ビーフジャーキーの封を切って一掴みやるとまたすぐペロリだ。
一回にこれだけの量を食べたのは健康な時を含めても初めてではないかな。
■11/30 火曜日
ここ数日はなかなか食欲旺盛だったのが夕べは缶詰を開けてもあまり食べない。
スプーンで口のそばへ持っていくとまずそうに食べる。
アレッと思ったが、その後原因が判明。主食用ビーフジャーキーの空袋が出てきた。
晩飯が待ちきれなかったのか残っていたビーフジャーキー(約450g)を
留守中みんな勝手に食べてしまったのだ。ほぼ1日分の所要量を1回で
食べその後また缶詰が出てきたのだから喉もつかえるというもんだ。
朝も食欲は積極的ではないものの早く体重を戻したい一心でなんとか食べさせ、
もらっていた薬が今日で切れるのでお医者さんに連れて行く。
体重15.2kg、よしよし増えてきたぞ。
「回復は順調のようだが発病後1月間はまだできるだけ体力消耗させてはだめ、
バベシア原虫は必ずしも100%死滅はしないで投薬でよわったバベシアが骨髄の
方に逃げ込んだりして生き残っており、それが元気を取り戻して再発するケースがあり
特に1ヶ月間はその確立が高いので見掛けは元気なようでも慎重に」との事。
以前のように山道を2〜30kmいっしょに走れるのはいつの事か気に係り
ストレートにそう尋ねるとちょっと怒られそうな気もしたので
「散歩の時、走りたがるんですがまだむりでしょうね」と聞くと
「まあ、年が明けてからでしょうね」との答え。
う〜ん、元気な時はフルマラソンも走れそうな気がしていたのにそんなに長く養生していたら
人間ならトレーニングを再会して完全復帰までに2〜3ヶ月かかってしまうだろう。
夜、まだ散歩の前だったがカンがホームこたつの布団の上で急に吐いた。あわてて
そうじしていると移動したソファーの上でもまた吐いた。
しかし、これは病気のせいではないはずだ。勝手にビーフジャーキーを
平らげるなど夕べからのむちゃ食いのせいに違いない。
私はまだ夕食の途中だったので散歩は健(息子)に頼んだら、外でもう1回吐いたが
歩き方は元気そうだったとの事。ちょっと安心する。
■12/11 土曜日
今日で初めて診察に連れて行ってから1月になる。
ここ数日は以前の元気な時に戻ったようで特別気になるような
症状は何もない。
朝散歩に出かけて、中山寺の周りをうろついていたら、
カンが山の方へ行きたがるそぶりだ。
私も久しぶりだし、少しぐらいなら山へ連れて行っても良いだろうと判断、
お医者さんには内緒だがまあ走らせなければ大丈夫だろう。
しかし、いきなり、中山の頂上や奥の院ではやはり心配なので途中の夫婦岩までで
引き返すことにした。
足取りも以前と変わらず軽やかだったし、帰宅してからも特に
疲れた様子もなし。
食欲、便とも順調。
■12/13 月曜日
飲み薬(錠剤)がなくなったのでお医者さんに行く。
体重16.1kg、かなり増えた。病気以前の正確な体重が判らないが、
ことによるとそれより増えているのではないか。
しかし、いちばんやせた時が13.3kgしかなかったというのは、
比率で言えば60kgの人間が50kgぐらいしかなかったわけで、
そう考えると大変なやせようだったわけだ。
せっせと餌を食べさせた甲斐もあったと言うものだ。
再発の可能性の高い1ヶ月の期間を無事通過したので、ひとまず安心しても
よいでしょう、との事。
回復程度の確認の為、再度血液検査をしてもらう。
赤血球の成分は始めの検査では15%まで落ち込んでいたのが
今回は46%と一応正常値の40%をクリアーしており問題なし。
ただ、6月の検査では50%を越えており、いま少し薬を続けて
様子をみましょうとの事で、量はこれまでの半分ながら
8日分の薬をまとめていただく。
散歩は普通にしてもOKだが、走らせるのはもう少し様子をみてから
との事。
山を走り回れるまでの完全復活は来年になりそうだが、
まず再発の心配はなさそうだし、ここ、数日の元気さ加減からして、
ひとまず安心してもよさそうだ。やれやれ。
■12/31 金曜日
この暮れはカンの食欲も出てきてガリガリ体型もやや丸みを帯びてきたような気がしていた。
今日は鶏の手羽先の大きい缶詰(骨付き、800g)を1食でころっと全部
食べてしまった、珍しく食欲がある!。
■2000/正月
大晦日の食欲に感心していたら案の定元日は下痢だった。
下痢はまもなくおさまったのだが、その後どうも食欲が落ちてきている。
大食いはろくなことがないと自分で悟った為か?
いや、それほどうちのカンは賢くないはずだ。と、すると?
下のまぶたをひっくりかえして覗いてみるが、白くはない。一応ピンク色だが
良く見れば見るほど、そのピンクがすこし薄いような気もしてくる。
尿も観察する。茶色ではないが少し黄色い、これが正常なのか茶色になり始めの
黄色なのか、やはり判断にまよう。
まだ、バベシア再発が頭から抜けないだけに、ちょっとおとなしかったり
ちょっと食欲がないだけで、いらぬ気を回してしまう。
■1/6 木曜日
新年の挨拶にでた先で、ちょっと一杯だけでもという事になり
夜10時過ぎに帰宅したらカンがいない。
玄関が開けっ放しなので締めて家に入ったのだが、カンのお迎え用に
開けてあるとの事。また、やってくれました。
脱走にもいいかげん慣れてきたが、いままでは遅くても9時過ぎには家に
帰って来ていたのだが、今日はまだとの事。
いきなり「探してきてくれ」と言われても、夜道をあてもなくぶらついても
そう簡単に見つかるものでもなし、「早くいけ」と言う家内の声を
聞き流し、カレーを一皿あわてて掻きこんでいると、どこからかネズミの子が
鳴くような、みゅうみゅうという小さな声、アレッと思ったとたん、先程私が閉めた
扉をコリコリこする音、
くそ〜、嬉しいやら腹が立つやら、あわてて扉を開けて入れてやるが
ご本人も人の顔色を見ながらのそっと入ってくる。こちらの顔もほっとして
ゆるんでしまっているのを見届けてから、うれしそうに尻尾をふる。
抱きかかえて定位置のイスに座らせてから叱るものの、どうも堪えている
風がない。
こうして、だんだん夜遊び好きな不良犬に育っていくのだ、あぁ〜
■1/8 土曜日
昼からカンを連れて中山の頂上から奥の院をぐるっとまわった。(約8k)
私が膝を用心してしばらく山道は走らないことにしている事もあり、
正月を喰っちゃ寝ばかりですごした家内もめずらしく一緒に着いて来たのだが
帰り道カンのおしっこを見て、「やはり、色が黄色くない?」という。
たしかに、そういえば黄色っぽい。
食欲がいまいちなのが続いているが、元気そうだし、脱走までするぐらいだから
大丈夫だろうと思って山歩きにも連れ出したのだが、どうも気がかりだ。
この前がそうだったが、はっきりそれとわかる症状が他に出てからでは、
遅すぎるかもしれない。
よし、土曜日も確か夜の診察があったはずと思い、着替えもそこそこにカンをつれて
お医者さんへ走ったが、お正月の関係もあり「本日休診」の札が懸かっていた。
丁寧に急患用に連絡先の電話番号まで書いてあったものの、そこまですることも
あるまいと思い連休明けを待つことにする。
■1/11 火曜日
朝、お医者さんへ。
「ドッグフードの缶詰をあまり食べません」
Dr.「他のドッグフードは?」
「カリカリのやつはもひとつですが、スティック状のビーフジャーキーは良くたべます」
Dr.「人が食べてる時は欲しがりますか」
「ええ、欲しそうに寄ってきます」
体重を量って
Dr.「16.8kg 増えてますね」
「−−−?」
まぶたの裏を見て
Dr.「貧血はないですね」
「でも、数日まえは確かに尿が黄色っぽかったんですが」
Dr.「だいじょうぶだと思いますが、暮れの血液検査でやや肝臓の数値が落ちているので
(バベシア注射の副作用も考えられるとの事)その薬を出しときましょう。元気回復の
注射も1本打っときましょう」
Dr.「尿を調べたらはっきりしますが、まあこれなら大丈夫」
ということで、診療所の外へ出たとたん駐車場でいきなりオシッコ。
次の患者が居なかったのを幸いに、もう一度先生に「尿を見て欲しい」といったところ
急きょ尿検査をしてもらう事になる。
リトマス試験紙みたいなもので、尿に漬けた細長い紙に数種類の薬品が帯状に塗ってあり
その色の変化を見て状態を判定するもので、以外に簡単なものだ。
結果は「白」となった。
食べないのは単なる好き嫌い要はわがままだったのだ。
え〜ぃ、世話を妬かせるやつだ。
そうこうしながらもやがて春を迎え、バベシア症のことはだんだんと忘れ去られていった。
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