これはゾメタ承認に先駆けて、第2回がん患者大集会(2006年)で配布されたチラシです。
精神神経免疫学に基づいた「生きがい療法」で有名な伊丹医師と、「ガン患者のあきらめない診療室」で先端化学療法の普及とセカンドオピニオンに取り組んでこられた今村医師の連名となっています。


"骨転移難民"の方々への朗報

骨転移は多くのがんで多発しており、ホルモン依存性の乳がんと前立腺がんで特に多い。
骨転移の治療は以下の理由で一般的に困難といわれ、これまで「骨転移難民」として積極的な治療を施してもらえなかった。

 ・ 多発性であることが多い。
 ・ 頚椎、胸椎転移では四肢もしくは下半身麻痺を生じやすい。
 ・ 大腿骨骨頭転移では骨折により歩行不能となりやすい。
 ・ 骨転移はさらに新たな転移の供給源となる。

国際的には骨転移の治療にはビスフォスフォネート(Bisphosphonate)が常識とされる時代となったが、日本では2004年11月に第2世代の薬アレディアが乳がんに限って認可されているのみ。しかし、ここに来て厚生労働省の風向きも変わり始め、2006年4月より新たに第3世代の薬ゾメタが使用認可される見通しとなってきた。

未承認段階における輸入先行投与の結果でも多くの患者で骨転移マーカー数値が改善し、骨シンチ検査でも、悪化、進展が抑制されるのみならず、画像上転移巣の改善がみられるケースもある。
こうした事例はゾメタを使用すれば、骨転移は根治できる可能性のあることを示唆しており、今後、骨転移を早期発見し根治を目指すため、すべての固形がんの方々に次のことをお勧めします。

1・ 骨転移と診断されている人は、すぐにゾメタによる治療を開始し、長期間根気良く続けましょう。
   月1回(30分)の点滴で、重大な副作用が無く外来で可能です。

2・ 骨転移が頚椎、胸椎、大腿骨にあれば、麻痺や骨折予防のため、放射線治療も検討しましょう。

3・ 早期発見のため、定期的に骨シンチ検査と血液骨転移マーカー(1-CTP)検査を受けましょう。