■ まずは主治医の説明を良く聞いてから
主治医から病状と治療方針の説明はきっちり聞かれましたでしょうか?
近年はインフォームド・コンセント(説明・同意)をしっかり押さえておくことも、医師・患者双方にとって大切な事と認識されてきました。
医師にとっては、後々のトラブルを防止したいという意味合いも強いようですが、
インフォームド・コンセントの本来の意味は、こうした医師の説明をただ聞くことではなく、納得いくまで説明を受けることができる患者の権利です。
セカンド・オピニオンも患者自身が治療法を理解し、治療法を選択するために必要な当然の手続きであり、これも患者の権利です。
海外にはこうした患者固有の権利を<患者の権利法>として明文化している国も少なくはありません。
近頃は医師の方にこうしたインフォームド・コンセントやセカンドオピニオンに対する理解が広まって来たにもかかわらず、
患者がそれを理解せず、患者の権利を十分に行使し得ていないという、一昔前とは逆の状態が良く見受けられるようになってきました。
まずは主治医に、ご自分の病状説明を納得いくまで十分お聞きいただいてから、セカンドオピニオンを申し出る折には、臆せず堂々とおっしゃってください。
セカンドオピニオンで、主治医と同じ考え方が聞かれれば、それで主治医への信頼がより深まるわけですから、なんら遠慮は要りません。
もしも、主治医がそれでへそを曲げるような時代遅れの考えの持ち主だったとしたら・・・たぶん、逃げるが勝ちでしょうね。
■ セカンドオピニオンはどこで?
★とりあえず第三者の意見を求めるだけならインターネットでも可能です。
★国立の医療センター・病院ならほとんどの所でセカンドオピニオン窓口を設けています。
www.hosp.go.jp/second_sinryo.html#22
・・・泌尿器科を有するのは全国で26施設
★全国がん(成人病)センター協議会加盟病院はこちらです。
http://www.ncc.go.jp/jp/ncc-cis/pub/index/hospitals_z.html
・・・全国で30施設
★日本放射線腫瘍学会認定放射線治療施設一覧はこちらです。
http://www.jastro.jp/authorization/inst_list.php
・・・日本放射線腫瘍学会HP
★ひげの父さんの
「前立腺がん放射線治療実績一覧表」も参考になるでしょう。
www2.odn.ne.jp/cap87090/cancer/list-radiation_theraphy.htm
・基幹医療施設の放射線治療件数および手術件数の実績がわかります。
・IMRT(強度変調放射線治療)をやっている医療施設がわかります。
・小線源療法をやっている医療施設がわかります。
★HIFU(高密度焦点式超音波療法)をやっている医療施設はここでわかります。
http://www.m-clinic.jp/hifu.htm・・・”がん・ガン・癌・スーパーリンク”のがん情報
★3次元原体照射療法をやっている医療施設はここでわかります。
http://www.m-clinic.jp/pinpoint.htm・・・”がん・ガン・癌・スーパーリンク”のがん情報
★小線源療法をやっている医療施設はここでわかります。
http://www.m-clinic.jp/shousenngennryouhou.htm・・・”がん・ガン・癌・スーパーリンク”のがん情報
★粒子線治療をやっている医療施設はここでわかります。
http://www.m-clinic.jp/ryuushisennchiryou.htm・・・”がん・ガン・癌・スーパーリンク”のがん情報
★その他
前立腺がん体験者が主催するHPの掲示板で尋ねてみるという手もありますが、これはセカンドオピニオンというよりは
サイドオピニオン。助言や励ましはもらえるかも知れませんが、医学的根拠の保障はありません。
前立腺がん体験者の主催する掲示板は杉浦幹雄(体験者)さんの作成されたこちらのリンク集から辿れます。
http://www6.plala.or.jp/smqol/syukiurl.html
入院して放射線治療を受ける覚悟なら、距離にとらわれるより治療実績の確かなところを優先すべきです。
外科療法も基本的には同じですが、ご家族の事情によっては地の利を優先せざるを得ないかもしれません。
良く相談なさってください。
■ セカンドオピニオンに必要な資料
・紹介状(診療情報提供書)
主治医に依頼して作成してもらう書類で、これまでの診療経過と詳しい病状(検査結果等)が書かれています。
患者本人のことですから、当然見ても良いはずなんですがなぜか必ず封がしてあります。
私はこっそり見ましたが、先に聞かされた中途半端な説明よりは、よほどはっきりと内容が理解できました。
インフォームド・コンセントの折にも、口頭説明だけじゃなく、こうした診療情報提供書と同じ内容の書類を
(できれば専門用語の解説付きで)をぜひ手渡してもらいたいものです。
個人情報保護法ができてから、患者カルテは本来個人情報ゆえ、本人が見るのは当然であり、
求められれば開示すべきという通達が厚生労働省から出されているそうですから、今は、診療情報提供書も
患者本人に隠すことは無くなってきていると思われますが、個人情報保護法制定後の現状を良く把握できておりません。
・病理プレパラート
生検で採られた試料をガラス板にはさんだものです。
・診断用画像
腹部MRI、全身CT、全身骨シンチグラム等の画像フィルム。転移・浸潤の状態を確認するために必要です。
・その他
尋ねたい用件はあらかじめメモを取っておく方が聞き忘れがなくてよろしいかと。
セカンドオピニオンの結果報告書は当日すぐにもらえる場合もあれば、直接主治医へ郵送する場合もあるようですが 、
たいていこれにも封がしてあって患者には書類の中身を見せないのが医療者の常識のようです。
(私の経験した2004年現在では)
いずれにせよセカンドオピニオンの様子は患者自身からも主治医に報告しておくべきでしょう。
|